2020年7月30日木曜日

チャッキングで考えるべきこと②

チャッキングで考えるべきこと①に引き続き、今回は、以下の赤文字について書きます。

Ⅰ.チャッキング方法
  1. チャック(片持ち)
  2. チャック✕センター(両持ち)
  3. フェイスドライバー✕センター(両持ち)
  4. ケレドライブ✕センター(両持ち)
Ⅱ.チャックの種類
  1. 油圧チャック
  2. エアーチャック
  3. 手締めチャック(単動/スクロール)
  4. 特殊治具

2020年7月29日水曜日

チャッキングで考えるべきこと①

「チャッキング」と一言で言っても、次のようにいろいろなチャッキング方法があり、チャックにも多種多様なものがあります。

Ⅰ.チャッキング方法
  1. チャック(片持ち)
  2. チャック✕センター(両持ち)
  3. フェイスドライバー✕センター(両持ち)
  4. ケレドライブ✕センター(両持ち)
Ⅱ.チャックの種類
  1. 油圧チャック
  2. エアーチャック
  3. 手締めチャック(単動/スクロール)
  4. 特殊治具

2020年7月17日金曜日

隣接工具干渉について

1つの刃物台に複数の工具を取り付けることのできるタレット旋盤の場合、加工中の工具の近く(特に隣の取り付け位置)に取り付けられた工具がチャックや加工物(ワーク)と干渉しないか注意することが必要です。

次のような時には特に注意が必要です。
  • メーカーが推奨するサイズを大きく超えたチャックの取り付けをしたり そのように大きなワークを加工する場合。
  • 主軸中心(X=0)付近の加工を行う場合。
  • 深い穴加工を行うために長くZ軸方向に突き出したボーリングバーやドリル工具の隣にチャックの端面近くまで外径加工を行う場合。

隣接工具干渉の回避しやすいツーリング
  • 外径バイトと内径バイトは交互に取り付ける
  • 穴ぐり用の工具を隣り合わせに取り付ける場合は、突き出し長さが同等(加工する穴の深さが同等)なもの同士にする。
  • 総形工具(そうがた・工具)を作成し、使用する工具本数を減らす(隣接工具が干渉する取り付け位置は空きにしておく)

2020年7月16日木曜日

円弧形状の切削長(ミーリング)

加工時間を計算するためには切削長を知ることが必要です。

ヘリカル加工やコンタリング加工などで円弧形状の穴ぐりを行う場合、切削長は工具の外径部分が描く円周の長さになります。


ともすれば、回転工具の中心が描く円周の長さを切削長と勘違いしてしまう場面を見たりするので、お気をつけください。




2020年7月15日水曜日

スレッドミル

円弧を描きながら軸方向に動作させる「ヘリカル加工」によってねじ切りを行う工具です。



スレッドミルの工具については各社メーカーが多種多様な製品の提供をしています。

スレッドミルの使用に関しては、「タップより負荷がかからないため折れにくい」、「特別な加工プログラムが必要となる」などの特徴がありますが、OSGのサイトにてシンプルにわかりやすく書かれていますので、そちらをご参照ください。(手抜きですみません汗)

お願い:
このブログの方針として、特定メーカーの製品の紹介に偏る事がないようにする事を心がけています。それでも筆者の知識はそれほど広くも深くも無いため、どうしても勘違いしたり偏った情報の記述が発生してしまう可能性があります。
このブログの読み方として、ある製品に関する紹介があった場合には他社メーカーの製品についてもググっていただけますと幸いです。

また、お気づきの点などがありましたならコメント欄への書き込みにてお気軽にご指摘いただけますと励みになりますのでよろしくお願いします。

2020年7月13日月曜日

穴面取りの仕方(ミーリング加工)

穴面取りの仕方には次のような方法があります。
  1. リーディングドリルでセンタリング穴をあけると同時に面取りをする。(図1)
  2. 面取り付きドリルで穴をあける。(図2)
  3. 穴をあけた後に面取り用カッターで面取りをする。(図3)

図1.リーディングドリルで先に面取加工。
※小径穴向き

図2.面取付きドリルで一度に加工する。
※タップの下穴向き

図3.穴をあけた後に面取加工。
※大径穴向き


2020年7月12日日曜日

「管用テーパねじ」について

参考:JIS B 0203

図.管用テーパめねじ(Rc)

概要


「管用(くだよう)テーパねじ」とはその名の通り、管(パイプ)用のテーパねじ(傾斜角度を持ったねじ)です。
「管用テーパねじ」には、ISO7-1に準拠したR(おねじ),Rc(めねじ),Rp(平行めねじ)や、PT(おねじ・めねじとも共通 [旧JIS])とPS(管用平行めねじ [旧JIS])の他、NPT(米式管用テーパねじ)、NPTF(米式管用耐密テーパねじ)などがあります。


1.一般的な管用テーパねじ(英国式管用テーパねじ、ISO準拠)


現行のJIS B 0203では、管用テーパおねじを「R」と表し、管用テーパめねじをRc」と表すように決められています。

なお、JIS B 0203:1999のタイトルは「管用"テーパ"ねじ」ですが、管用テーパおねじ用の「管用"平行"めねじRpと表す)」についても記載がされています。


2.ISOに規定されていない管用テーパねじ(旧JIS


旧JISの管用テーパねじ(おねじ・めねじとも)を「PT」と表します。こちらにも管用テーパおねじ用の管用"平行"めねじがあり、「PS」と表します。『耐密性を主目的とするねじに適用する』とJISには記載されていますが、実加工においてISOと旧JISの違いについてとりわけ明確に求められることはないように思われます。


3.JISに規定されていない管用テーパねじ(米式管用テーパねじ)


NPT(米式管用テーパねじ:おねじ・めねじとも)や、NPTF(米式管用耐密テーパねじ:おねじ・めねじとも)などのようにANSI(米国の規格協会)の規格にあってJIS規格にない管用テーパねじがあります。これらについても今後状況によってはJIS規格に含まれる可能性もなくもないのではないかな?と思います。


4.管用テーパねじの共通点


管用テーパねじは上記1~3のように各種いろいろありますが、テーパ角は全て1/16になっています。



あとがき(独り言)


JIS B(一般機械)に関しては、"規格"としての役割を果たしているのかな?と疑問に思う場合があったりしますが、今回参考とした「JIS B 0203『管用テーパねじ』」についてもそんな感じでした。ISO7-1に含まれないていない「耐密に配慮した内容」を記載するためにPTやPSなどといった『旧JISの表記法』が附属書に残されるなどしている事も混乱のもとになっていると思われます。管用テーパねじに限らず、JISが規格として機能しないと専門用語への配慮がないがしろにされ、意思の伝達があいまいになって設計者の意図に従ったモノづくりが難しくなっているように思われます。
JIS B 0203の附属書に記載された旧JISのねじに関していえば、次回の改正時に廃止年限が明らかにされるということですから、少しスッキリするのかな?と思います。
加えて、タイトルが「管用テーパねじ」のままだと「耐密用に使用する平行めねじ(Rp、PS)」を含めることにムリがあるので名前の付け方にも工夫をしてもらえたら…と期待します。

2020年7月7日火曜日

旋盤用ツールホルダの共有化について


関連:内径バイト、内径ホルダ

NC旋盤のタレットにバイトやドリルなどを取りつける時には一般的に各旋盤メーカー専用の「ツールホルダ※」を用います。

バイトに関してはISOやJISで規定されているので他社メーカーの製品間での共有が可能なのですが、それを取り付けるツールホルダに関してはそういうわけには行きません。
例えば同じメーカーの製品でさえ、互いに同等なサイズのタレットに取り付けるツールホルダが共有できないこともあるため注意が必要です。

※ここでのツールホルダは旋削専用のNC旋盤またはミーリング加工も行えるターニングセンタ用のタレットに取り付けるツールホルダを指します。

図.12角形のタレットの外径に取り付けられたツールホルダ

JISで規格化されてないことにより、各メーカーは自由にやりたい放題?な設計をしていますが、ツールホルダが共有できないのは、ユーザーにとってうれしいことではありません。また、規格化されていないからこそ各メーカーにはホルダの正規図面の公開をしてもらえると助かります。(おそらくほとんどの場合、図面の入手は困難だと思われます。)


2020年7月2日木曜日

加工時間の計算(旋盤の場合)②~定切削速度II

最高回転数指令を超える場合

G96で定切削速度指令をしている状態で端面加工を行うと、G50による最高回転速度クランプの制限を受けて一定回転数でしか回転しないようになります。

例:素材径φ145㎜の端面粗加工を想定
G50 S2000 (主軸の最高回転数を2000rpmに制限する)
G96 S150 (周速を150m/minに設定)
G0 X150 Z1 (X=150、Z=1に早送り位置決め)
G1 X0 F0.3 (X=150→0 0.3mm/revで切削送り)


※主軸回転/工具呼び出し/クーラント吐出等の指令は省略しています。
※アニメーションでは「分かりやすくするため」にバイトの動作を一旦停止させています。


最高回転数指令を超える場合の加工時間の計算は、主軸最高回転数2000rpmに到達する前①到達した後②に分けて考えて、最後に合計します。

1.最高回転数に到達する前

式1.定切削速度の場合の加工時間[sec]

ここでは、「加工時間の計算(旋盤の場合)②~定切削速度I」で紹介済みである式1を使用します。
ただし、加工径Dがφ24~φ145まで変化するため、ここでは便宜的に平均値φ84.5(=(24+145)÷2)を用いて計算します。
刃具の移動距離Lには、(145-24)÷2より、60.5[mm]を代入します。

◇式1に代入する値
  • D:84.5[mm]
  • L:60.5[mm]
  • F:0.3[mm/rev]
  • V:150[m/min]
◇最高回転数に到達する前の加工時間①
T1=60×3.14×84.5×60.5÷(1000×0.3×150)
21.4[sec]

2.最高回転数に到達した後

式2.毎分当り回転数の場合の加工時間[sec]

◇式2に代入する値
  • L:12[mm]・・・φ24からφ0までに刃具が移動する距離
  • F:0.3[mm/rev]・・・①と同じ
  • N:2000[rpm]・・・最高主軸回転数(一定)
◇最高回転数に到達した後の加工時間②
T2=60×12÷(0.3×2000)
=1.2[sec]

3.合計の加工時間

T=T1+T2
=21.4+1.2
=22.6[sec]