参考:JIS B 0203
図.管用テーパめねじ(Rc) |
概要
「管用(くだよう)テーパねじ」とはその名の通り、管(パイプ)用のテーパねじ(傾斜角度を持ったねじ)です。
「管用テーパねじ」には、ISO7-1に準拠したR(おねじ),Rc(めねじ),Rp(平行めねじ)や、PT(おねじ・めねじとも共通 [旧JIS])とPS(管用平行めねじ [旧JIS])の他、NPT(米式管用テーパねじ)、NPTF(米式管用耐密テーパねじ)などがあります。
1.一般的な管用テーパねじ(英国式管用テーパねじ、ISO準拠)
現行のJIS B 0203では、管用テーパおねじを「R」と表し、管用テーパめねじを「Rc」と表すように決められています。
なお、JIS B 0203:1999のタイトルは「管用"テーパ"ねじ」ですが、管用テーパおねじ用の「管用"平行"めねじ(Rpと表す)」についても記載がされています。
2.ISOに規定されていない管用テーパねじ(旧JIS)
旧JISの管用テーパねじ(おねじ・めねじとも)を「PT」と表します。こちらにも管用テーパおねじ用の管用"平行"めねじがあり、「PS」と表します。『耐密性を主目的とするねじに適用する』とJISには記載されていますが、実加工においてISOと旧JISの違いについてとりわけ明確に求められることはないように思われます。
3.JISに規定されていない管用テーパねじ(米式管用テーパねじ)
NPT(米式管用テーパねじ:おねじ・めねじとも)や、NPTF(米式管用耐密テーパねじ:おねじ・めねじとも)などのようにANSI(米国の規格協会)の規格にあってJIS規格にない管用テーパねじがあります。これらについても今後状況によってはJIS規格に含まれる可能性もなくもないのではないかな?と思います。
4.管用テーパねじの共通点
管用テーパねじは上記1~3のように各種いろいろありますが、テーパ角は全て1/16になっています。
あとがき(独り言)
JIS B(一般機械)に関しては、"規格"としての役割を果たしているのかな?と疑問に思う場合があったりしますが、今回参考とした「JIS B 0203『管用テーパねじ』」についてもそんな感じでした。ISO7-1に含まれないていない「耐密に配慮した内容」を記載するためにPTやPSなどといった『旧JISの表記法』が附属書に残されるなどしている事も混乱のもとになっていると思われます。管用テーパねじに限らず、JISが規格として機能しないと専門用語への配慮がないがしろにされ、意思の伝達があいまいになって設計者の意図に従ったモノづくりが難しくなっているように思われます。
JIS B 0203の附属書に記載された旧JISのねじに関していえば、次回の改正時に廃止年限が明らかにされるということですから、少しスッキリするのかな?と思います。
加えて、タイトルが「管用テーパねじ」のままだと「耐密用に使用する平行めねじ(Rp、PS)」を含めることにムリがあるので名前の付け方にも工夫をしてもらえたら…と期待します。
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