2020年5月20日水曜日

センタードリル

▷関連:センター穴


図1.センタードリル

センター穴をあけるためのドリルです。
先端の細い箇所は逃がしで、センターを当てるのは60°の部分となります。
両側に刃がついていますが、1度に使用するのは片側だけです。(反対側はドリルが 折れたり欠けたり摩耗したときにひっくり返して使います。)他のドリル同様にミニチャックなどで把握します。

図2.ミニチャックで把握したセンタードリル


センター穴にはA形、B形、C形、R形がありますが、それぞれの形状を加工するために特殊の総形ドリル(複雑な形状をした一体成型のドリル)を使用することもあれば、複数のドリルを使用して行う場合もあります。


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2020年5月18日月曜日

CAPTO(キャプト)

▷関連:JIS B 6066-1、ISO 26623-1


1990年にサンドビックコロマントが開発し、ISOに採用されることで世界標準となったインターフェース。
一般的にCAPTO(キャプト:商標名)と呼ばれますが、JISにおいては「ポリゴンテーパーシャンク」が正式名称となっています。

CAPTOのメリット

  • 広範なモジュラーシステムによる柔軟性
  • 高い基本剛性と精度
  • 工具在庫の最少化
  • 段取り時間の短縮

特長

  • トルク伝達率が高い
  • 曲げ強度が高い
  • クイックチェンジおよび自動工具交換
  • 低圧においても加工安定性を確保する先進ノズルテクノロジー
  • 工具を貫通して機械から刃先へとクーラントを送る高圧内部給油
  • バランス調整と同心性
  • セルフセンタリング
参考:クイックチェンジソリューション
※必要に応じて、先端部のみ付け替えて使用します。



CAPTOツールは手早く工具の交換ができるため、複合加工機[ATCあり]ばかりでなく、ターニングセンタ(ミーリング加工のできるタレット旋盤[ATCなし])にも専用の特殊ホルダを取り付けて使用されることが増えてきました。
CAPTOは商標名ですがBIG CAPTOやALPS CAPTOのように許諾を受けて商品名に使用している国内メーカーもあります。(個人的にはポリゴンテーパーシャンクなんて長ったらしい呼び名より、親しみが持てるので、いい戦略だと思っています。)

2020年5月2日土曜日

平行2軸NC旋盤②

左右の主軸で同じ部品を作ることもできます。
図1.左右主軸で同じ部品の加工をする場合。

左右どちらかの主軸が故障した場合、片側だけで運転することもできます。
図2.片方の主軸が故障している場合。

部品の生産中に機械の修理をすることは危険です。
安全に工作機械を使うためには、正しいルールや操作手順の順守が重要です。
自動運転中に作業者が機内での作業を行うことをメーカーは推奨していません。
  1. 安全
  2. 品質
  3. 生産
生産工場が重視する順番が上記の通りであるという基本原則に従えば、生産ラインの稼働中に機械の修理をすることが「マチガイ」であることが理解できると思います。

図3.生産ライン稼働中の機内の作業は厳禁。

左主軸と右主軸の加工エリアが機内の隔離壁で「完全に分離」されているなどの場合は
いいのではないか?と考えることも可能ですが、稼働している機械のカバーを開けて作業することは、作業者の大切な生命を守る上で 絶対に行わないでください。


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平行2軸NC旋盤①

ローダー搬送を含む「部品の大量生産」に特化した1台2役のNC旋盤です。
1工程目(表)と2工程目(裏)の連続加工を行うために「反転装置」を持つこともあります。

主な対象ワーク

  • 長手が「短い」ワーク(チャックワーク)※1
  • 6~10”チャックに対応した大きさ※2
  • 大量生産部品※3

図1.ローダーと反転装置付きの平行2軸NC旋盤

※1:作業の都合と機械の構造上、平行2軸NC旋盤ではチャックワークの加工が行われます。長物のワークをチャック内に飲み込ませて加工することは可能ですが、センターワークとして加工することは一般的ではないと思います。
※2:国内主要工作機械メーカーがターゲットにしていると思われるサイズ。
※3:1分1秒でもサイクルタイムを短くするため、各メーカーはローダーの移動速度やワーク着脱時間の短縮にシノギを削っています。


図2.センターワーク向きでない理由


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≫平行2軸NC旋盤②


2020年5月1日金曜日

1M1L+IN/OUT②


シンプルなローダーシステムの構成です。
INストッカとOUTストッカを同じ側に配置。
セル生産方式に向いています。

1M1L+IN/OUT①

シンプルなローダーシステムの構成です。
INストッカとOUTストッカを加工機の両側に配置。
入り口と出口が別々になっているため、ライン生産に向いています。