2019年4月30日火曜日

シャンク(把握箇所)

▷関連:センターバイトドリル

バイト(ホルダ)やドリル、または センターなどの把握する箇所の事を指します。
外径バイトのシャンクは四角形状をしているため「角(かく)シャンク」と呼び、内径バイトは丸いので「丸(まる)シャンクと呼びます。

ドリルにはシャンク部がストレート形状をしている「ストレートシャンク」と傾斜形状をしている「テーパーシャンク」があります。「テーパーシャンクドリル※」のシャンクとセンターのシャンク形状はJISに規定されたモールステーパーになっています。


◇ストレートシャンクドリル


◇テーパーシャンクドリル



※テーパーシャンクドリルの事を略して「テーパードリル」とも呼びますが、このブログ内では「ドリルの『先端』がテーパー形状になっているドリル」のことをテーパードリルと呼ぶため、シャンクがテーパーになっているドリルの事は略さずに記載することとします。


[参考:各シャンクの呼び方(例)]
・外径バイト:25×25角のシャンク→□25シャンク(にじゅうご・かく・-)
・内径バイト:φ32のシャンク→φ32シャンク(さんじゅうに・まる・-)
・テーパーシャンクドリル:M.T. No.2(モールステーパー・ナンバー・に)
・センター:M.T. No.5(モールステーパー・ナンバー・ご)

シャンク [センター]

▷関連:シャンクセンター

センターのシャンクはM.T.No.4~M.T.No.6の形状をしています。
センターが打ちこまれる心押スリーブには、各サイズに対応した形状の穴が明いています。
M.T.とは「モールステーパー」の事を指します。 形状についてはJIS B 4003(1999)を参照してください。数字が大きくなるほど、大きなサイズのシャンクであることを意味しています。


(注意)旋盤に使用できるセンターのサイズは、旋盤の大きさによって異なります。目安として、次のようなイメージです。


ソレノイドバルブ

電磁弁、方向制御弁とも呼ばれます。電磁コイル(電磁石)によって油圧回路の切り替えを行います。

油圧機器

▷関連:油圧チャック

NC旋盤では、主に次の装置で油圧が使われています。

  • 油圧チャック
  • 油圧心押台
  • 油圧振止

『油圧ポンプ』によってくみ上げられた「作動油」が各装置を動作させます。
ソレノイドバルブによる油圧回路の切り替えによって作動油の流れる方向が制御され、各装置は、所定の動作を行います。

回転センター・デッドセンター

▷関連:センター心押台

センターには、回転する機構を持った『回転センター』と回転する機構を持たない『デッドセンター』があります。

回転センター

センター自身が回転するため、心押台にセンターを回転させる機構は不要です。
センター側に回転するための機構(軸受)が内蔵されているため、センターのサイズを小さくすることには限界があります。
センターの内部に軸受(ベアリング:精密装置)を持っているため、取扱いには注意が必要です。センターを取り外す時は「抜きナット」を用いて静かに取り外します。

 デッドセンター

センターが回転しないため、心押台側に回転する機構が必要です。軸受を持っていない為、センターのサイズ・形状はある程度自由に作ることが可能です。
▷関連:傘センター


油圧・潤滑・クーラント装置

▷関連:主軸台タレット心押台


主軸チャック


主軸

主軸は工作機械の『心臓』と言えるほど重要な装置です。そのため、主軸には専用の主軸用オイルを使用します。
また、主軸の回転によって発生する温度上昇は主軸の寿命に悪影響を及ぼす可能性が有るため、油温調整機(クーラー)を用いて温度管理が行われています。

油圧チャック

油圧チャックは、主軸の後端(こうたん)に取り付けられた「チャックシリンダー」の前後運動によって、チャック爪の開閉を行います。
チャック開閉の可動部に対しては、作業者が適宜「グリス」の注入を行います。

②刃物台・タレット

刃物台・タレットとも駆動は電気(モーター)によって行われる為、作動油による油圧を必要としません。(※NC古い旋盤ではタレットの「旋回時」に油圧を用いていました。)

タレット

工具の先端や加工箇所に切削水をかける必要があるため、タレットに対してクーラントが供給されます。タレットは旋回する為、旋回軸部(ベアリング:軸受)などに対して潤滑油の供給が行われます。

③油圧心押台

油圧心押台は油圧によって「油圧スリーブ」を伸縮させます。心押台本体の前進後退は、手動または電気(モーター)によって行われます。

④油圧振止(ー・ふれとめ)


油圧振止は油圧によってアームを開閉し、ワークを把握します。
油圧振止は、『心押センターで支持しても加工時にワークの中央がたわんでしまう』場合や、ワークの形状や加工内容の都合で『心押センターが使えない』などの場合に使用します。

2019年4月29日月曜日

心押台(しんおしだい)

▷関連:心押スリーブセンター

長いワークをチャッキング(把握)する場合、主軸側のチャックだけでは不安定です。
加工途中で高速回転していたワークが「飛ぶ」恐れもあり、大変『危険』です。

また、突き出しの長いワークをチャックだけで把握すると、加工時に「ビビリ」が発生するなどして、図面通りの寸法や面粗度にすることができない可能性もあります。

心押台(しんおしだい)は、そのような問題を解決するために使われる装置です。
心押台は、チャックの反対側からワークを押しつけて支えます。


ドリルの種類(1.目的別編)


センタードリル

センター穴をあけるためのドリル
※使用するのは片側のみ。一方が寿命(摩耗や欠け)で使用できなくなった時に反対側を使用します。


ロングドリル

「油穴」など深い穴を明けるためのドリル


面取り付きドリル

「タップ」の下穴などを明けるドリル
※肩の部分にも刃があるため、穴明けと同時に面取りも行えます。


リーディングドリル

センター穴、面取りに使用するドリル

フラットドリル

ザグリ穴を明けるドリル

ソリッドドリル

▷関連:シャンクドリルスロアウェードリル

刃部とシャンク(把握部)が一体化しているドリルです。
材質の違いによって「超硬ドリル」と「ハイスドリル」があります。
超硬ドリルはハイスドリルに比べてドリルの『先端角』が大きく(鈍角)になっていて高能率な加工が可能です。
但し、比切削抵抗の大きな材質に対して径の大きな穴を明けるような場合は、工作機械の主軸の馬力やトルク能力が不足していないか注意する必要があります。

2019年4月28日日曜日

スロアウェードリル

▷関連:ドリルソリッドドリルシャンク

内刃と外刃 2枚の超硬(ちょうこう)チップを先端に取り付けたドリル。
直径寸法がφ25~の穴を効率よくあけることができる「チップ交換式」のドリル。
▷関連:ソリッドドリル


内径バイト、内径ホルダ

▷関連:バイトシャンク超硬ボーリングバー

内径バイトはワークの内径を加工するための工具(ホルダ)です。
内径バイトをタレットに取り付けるため、内径バイト用のホルダを使用します。
※図はL(左)勝手のホルダです。左勝手の工具は、主軸が「時計回転」しているときに切削ができ、右勝手の工具は「反時計回転」しているときに切削できます。

2019年4月18日木曜日

外径バイト

▷関連:バイトシャンク

『外径バイト』は加工部品(ワーク)の外径または端面を加工するために使用する旋削用の工具です。

2019年4月16日火曜日

旋削(せんさく)

▷関連:旋盤/チャック/ワーク

チャックに取り付けたワーク(加工部品)を回して『加工』することを旋削(せんさく)と言います。旋削加工を行う工作機械の事を旋盤(せんばん)と呼びます。





2019年4月15日月曜日

面粗度

表面の滑らかさ(凹凸の具合)を示します。
軸と穴のようにはめ合わされる箇所や互いに接し合う取り付け面など、必要な箇所について図面内に指示がされます。
以下に「代表的な面粗度」である3つを示します。

Ra(μm):中心線平均粗さ

一般的に使用される指標です。凹凸の最大高さ(Rz)の「1/4倍」です。
※「中心線平均粗さ」は最大高さの中心で凹の谷を上側に折り返し、さらにその平均であると定義されています。そのため、Raは最大高さ(Rz)の1/4倍になります。

Rz(μm):最大高さ

凹凸の最大高さ一般的に使用されるRaの「4倍」です。時代によってRy、Rmaxなどと呼ばれていました。(JIS B 0601:2001以前のRz(十点平均粗さ)はRzjisに変わりました。Rzjisとの混同にご注意ください。

Rzjis(μm):十点平均粗さ

面粗度を測定した範囲(長さ)の中で「凸の高かった上位5箇所」の平均と、「凹の深かった上位5箇所」の平均の『高さの差』を示します。※凸と凹合わせて十点を使用して面粗度を表すので十点平均粗さと言います。(JIS B 0601:2001以前のRz(十点平均粗さ)はRzjisに変わりました。Rzとの混同にご注意ください。