◇概略
これが唯一の正解!とか、決定版!という「絶対の鉄則」についての説明ではありません。(すみません。)
やり方は、必ずしも一通りだけではないので、こんなやり方もあるのか~?くらいの感じで、お気軽にお読みください。
1.大まかな流れ
☆(原則として)
旋削を全て終えた後にミーリングをします。旋削、ミーリングのそれぞれについて、リストの上から順に行います。
|
説明用サンプルワークとチャック
|
[旋削]
- 端面・外径粗加工(あら・かこう)
- 穴あけ
- 内径粗加工
- 端面・外径、内径の仕上加工(しあげ・かこう)
- 溝加工
- ねじ切り
[ミーリング]
- 平面加工
- 穴あけ(穴の面取を含む)
- バリ取り、鋭角部の面取
- リーマー通し
- タップ加工
2.具体的な順番
[旋削:端面・外径(粗)]
|
(1)定周速切削による主軸回転数の変動が少ない場合(ワークの径:小)
|
|
(2)定周速切削による主軸回転数の変動が大きい場合(ワークの径:大)
|
[旋削:穴あけ・内径(粗)]
|
穴がないときは、ドリルで下穴①をあけてから、内径加工②をします。
|
|
内側から外側、奥から手前(①~③)の順に内径加工をします。 |
[旋削:端面・外径①、内径②(仕上)]
|
外径①、内径②とも 倣い加工で加工します。
|
[旋削:溝加工①、ねじ切り②]
|
溝加工の粗・仕上加工は、必要に応じて別のバイトを使用します。 溝加工は3パス(粗1パス、仕上2パス[両幅])で加工します。 |
[ミーリング:平面加工]
|
正面フライス、エンドミルなどで平面加工をします。
|
[ミーリング:センタリング穴①③、鋭角部面取②、下穴④⑤]
|
センタリング穴①③用のリーディングドリルで鋭角部面取②を加工します。 |
[ミーリング:リーマー通し①、タップ加工②]
3.まとめ
全ての旋削加工を終えた後でミーリング加工を行うのは、旋削加工が断続になることを避けるためです。(鋳物やダイカストや鍛造品等では、異形状であるためにミーリング加工を後にしても断続加工となる場合があります。)
ミーリング加工は、切削動力の大きな加工を先に行い、軽切削となる加工を後にします。
バリ面取り、リーマ通し、タップ加工の順番について、特に厳格なこだわりはありません。但し、タップ穴の口元の面取は、タップ加工前に行わないと、タップのねじが潰れてしまうため、注意が必要です。