2020年8月28日金曜日

部品加工の順番(ターニングセンタ・複合加工機の場合)

◇概略

これが唯一の正解!とか、決定版!という「絶対の鉄則」についての説明ではありません。(すみません。)
やり方は、必ずしも一通りだけではないので、こんなやり方もあるのか~?くらいの感じで、お気軽にお読みください。

1.大まかな流れ


☆(原則として)旋削全て終えた後ミーリングをします。旋削、ミーリングのそれぞれについて、リストの上から順に行います。

       
説明用サンプルワークとチャック
     


[旋削]

  • 端面・外径粗加工(あら・かこう)
  • 穴あけ
  • 内径粗加工
  • 端面・外径、内径の仕上加工(しあげ・かこう)
  • 溝加工
  • ねじ切り
[ミーリング]
  • 平面加工
  • 穴あけ(穴の面取を含む)
  • バリ取り、鋭角部の面取
  • リーマー通し
  • タップ加工

2.具体的な順番

[旋削:端面・外径(粗)]


(1)定周速切削による主軸回転数の変動が少ない場合(ワークの径:小)

(2)定周速切削による主軸回転数の変動が大きい場合(ワークの径:大)



[旋削:穴あけ・内径(粗)]


穴がないときは、ドリルで下穴①をあけてから、内径加工②をします。


内側から外側、奥から手前(①~③)の順に内径加工をします。


[旋削:端面・外径①、内径②(仕上)]


外径①、内径②とも 倣い加工で加工します。

[旋削:溝加工①、ねじ切り②]


溝加工の粗・仕上加工は、必要に応じて別のバイトを使用します。
溝加工は3パス(粗1パス、仕上2パス[両幅])で加工します。


[ミーリング:平面加工]


正面フライス、エンドミルなどで平面加工をします。


[ミーリング:センタリング穴①③、鋭角部面取②、下穴④⑤]



センタリング穴①③用のリーディングドリルで鋭角部面取②を加工します。

[ミーリング:リーマー通し①、タップ加工②]




3.まとめ


 全ての旋削加工を終えた後でミーリング加工を行うのは、旋削加工が断続になることを避けるためです。(鋳物やダイカストや鍛造品等では、異形状であるためにミーリング加工を後にしても断続加工となる場合があります。)
 ミーリング加工は、切削動力の大きな加工を先に行い、軽切削となる加工を後にします。
 バリ面取り、リーマ通し、タップ加工の順番について、特に厳格なこだわりはありません。但し、タップ穴の口元の面取は、タップ加工前に行わないと、タップのねじが潰れてしまうため、注意が必要です。

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