概要
- NC工作機械は、プログラム通り正確に加工を行うため、計算によって加工時間の把握をすることができます。
- 加工時間を計算して把握するのは、生産計画に無理がないか(実現可能かどうか)の検証を行うために用います。
- 旋盤の場合、1秒を争う大量生産部品については特に加工時間の管理が重視されています。
- 主軸回転数を高速にすることができない加工径の大きな部品や、複合加工機で複雑な平面加工を多用するなど長時間の加工を行う場合にも有用な考え方です。
- 各チップの切削距離を把握することで、工具チップの寿命の管理を行うこともできます。
加工内容によって加工時間は大きく変わります。 |
計算方法
加工時間T[sec(秒)]の計算にはNCプログラムで指令される以下の項目を使用します。
- 主軸回転数:N[回転/min](G97指令の時)
- 切削速度(周速):V[m/min](G96指令の時)
- 送り速度:F[mm/rev]
- 刃具の移動距離:L[mm](G01,G02,G03指令で工具が移動する距離)
毎分当り回転数(G97)の場合
G97の指令は主軸回転数が一定のため、加工時間は次の式で表すことができます。
式1.毎分当り回転数の場合 |
毎分当り回転数Nの単位[rev]は1分間で回転する主軸の回転数を表し、送り速度F[mm/rev]は主軸が1回転した時に刃具が移動する距離[mm]を表しています。
そのため、刃具の移動する速さは(F×N÷60[mm/sec])となります。
これを「時間=距離÷速さ」の式に当てはめると式1.のようになります。
式2は、式1に対して、以下の式3を代入しています。
式3.切削速度と主軸回転数の関係 |
切削速度Vは、1分間当りの刃具が切削を行う距離[m]を意味するため、円周の長さ(π・D[㎜])に1分間当たりの主軸回転数(N[rev])をかけて1000で割ります。
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